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インタビューに応じたフィジーのプラサド副首相=2024年11月16日、バクー、市野塊撮影

 アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動会議(COP29)での主題の一つが、途上国の脱炭素や災害対応などを支援する「気候資金」だ。なぜ資金が必要なのか。南太平洋の島国フィジーのプラサド副首相兼財務相が朝日新聞のインタビューに応じた。気候変動をめぐる日本とフィジーの意外な関係も語った。

 フィジーは、オーストラリアの東側にある島国。広さは四国とほぼ同じ1万8千平方キロメートル。人口は秋田県ほどの約93万人だ。COP23では小島嶼(とうしょ)国としては初めてとなる議長国も務めた。

 気候変動の影響は深刻で、プラサド氏によると、海面上昇、大雨や洪水、漁業への悪影響などが起こり、700もの地域コミュニティーが移転を余儀なくされる可能性があるという。

 プラサド氏は「国のGDP(国内総生産)や生活、インフラへのダメージが非常に大きい。その修復にはおそらく何十億ドルもの資金が必要だ」と指摘。ただ、「財政的な余裕がない」と嘆いた。

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